久しぶりに予備校へ行った。
やっぱ色々と思い出すよ。泥みたいに静かで湿っぽい日々。でも、あの時の自分がいなかったら今の大学生のおれはない。当事者だったあの頃は、いつも背中に十字架を背負って、毎日淡々と、自宅と予備校の往復をしていた。
黒い記憶は、時の経過とともに多少の美化を施され、しかし今なお脳裏にべったりとこびり付いている。まるで嵐が去った後の夕焼けのように鮮やかに。