「わん」

「何だ、犬」

「犬ではない。私は『伏』だ」

「まさか…!人間であり、犬であるというのか!?」

「その通りだ」

「ど、どこのSoftBankのCMだよ…」

「お前に別件などない!」

「別件なんて一言も口にしてねぇよ」

「私に逆らうのか!?」

「す、すみません…。クソッ『伏』のくせに…」

「何か言ったか?」

「いえ、何も。…ってか『件』って小説あったよな?」

安部公房か?」

「おそらく…」

「まぁ参考にはさせてもらっている」

「パクってるのかよ」

「パロっているのだ」

「大して変わんねぇだろ…」

「わん」

「都合が悪くなったら犬になるのかよ」

「わん」

「東京」

「わん」

「真珠」

「わん」

「ホールイン」

「わん」

「夫婦茶」

「わん………って、犬で遊ぶな!」